高原の5月は、ヤマザクラの花が咲きはじめたばかりの春の季節だ。落葉樹の新緑も、まだまだこれから芽吹く段階で、濃い緑色の樹林になるのは、もう少し先になりそうだ。
高原の春の草原にいち早く姿を見せる蝶は、ヒメシロチョウだ。初めて見る蝶は、どんな大きさなのか、どんな模様なのか、どんな飛び方をするのか、いろんな想像をめぐらせながら、イメージを膨らませる。
モンシロチョウとは、雰囲気の違う白い蝶がふわふわと草原の上を飛び、すぐに葉の上や花に止まる。遠くに飛ぶことがないので、追いかけながら自分の好みのシーンを選び、比較的ゆっくりと撮影できた。真っ白な清楚な蝶には、どんな舞台が似合うのか考える余裕は、たっぷりあった。(2013年5月3日・原村)