うっそうとした杉林の間を縫うように流れる谷川の河原に、スギタニルリシジミは生息しているようだ。なぜ、ここまで曲がりくどい言い方をするのかというと、この蝶の名前の由来を行数かせぎに書いてみた。
この撮影場所は、昨年からたびたび訪れているものの、この蝶との出遭いは、それほど多くない。昨年もここで撮影しているが、翅の退色があり、ややもの足りなさを感じた。今回初めて、きれいなスギタニルリシジミに出遭い、いろんなアングルから撮影した。それにしても、この蝶の翅色は、背景の河原の石の色に同化して、うっかりすると見落としてしまうだろう。こんな石の間の砂地で吸水している姿こそ、スギタニルリシジミらしい。
渓谷の日没は早く、陽が西の山に沈むと、あたりに冷気が忍び寄る。(2014年5月4日・伊那市)