<   2014年 07月 ( 12 )   > この月の画像一覧

アサギマダラ(6)  268

ヒヨドリバナの咲く草原にアサギマダラが群れている、そんな夢のような風景に憧れていた。初めて、この蝶と出会った白山登山口の草原にも、この花が一面に咲いていた記憶がある。今から、もう35年前の、ちょうど今頃だった。アサギマダラという名であることも知らず、無我夢中に、この蝶を撮影したことを、ふと思い出した。今でも、この蝶を見て高ぶりを感じるのは、あの夢のような最初の出会いと無縁ではないだろう。
広々した草原の中のアサギマダラを表現してみたくて、魚露目でこの蝶に接近するものの、すぐに逃げてしまい思うように撮影できない。それでもあきらめずに追いかけて、何とか撮影することができた。マクロとは違う新鮮な視点の写真が撮れたらと思うが、それがなかなか難しい。

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by kazenohane | 2014-07-30 09:04 | マダラチョウ

ヒメシジミ(6)  267

うっかりして失敗することが最近多いような気がする。夜行バスの中でカメラリュックを枕に仮眠しているとき、リュックのサイドのネットに差し込んでいたスポーツ飲料が何かのはずみで床に落ちた(ずいぶん後になって分かった)ようだ。何かが落ちる音だけは、半眠りの中でも記憶していたが。
バスが到着して、すぐに分かれば何も問題なかったが、まさか落ちて無くなっているとは思いもしなかったため、そのまま散策路を快調に歩く。明神のあたりで喉が渇き、飲もうとしたなら、無いことに気付いたに違いない。ここで飲料を補充することも可能だった。そのまま、蝶のいる場所までたどり着いてから始めて無いことに気付いた。また買いに戻るのも何となく気が進まなかったため、そのままにしておいた。少し空腹感を覚え、朝食のパンを食べたら、むしょうに水が飲みたくなった。仕方なく、梓川の水だったら綺麗かなと思い川原まで出て、両手で何度もすくって飲んだ。これがまた、よく冷えて美味しかった。
さて、ヒメシジミは、どうなったのか??この水飲み場に咲いていたヨツバヒヨドリの花に吸蜜していたヒメシジミと水の恵みを与えてくれた梓川をひとつの画面に入れて「蝶のいる風景写真」を撮ってみた。この写真こそ私の上高地のイメージそのものだ。

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by kazenohane | 2014-07-29 09:10 | シジミチョウ

カラスシジミ  266

今、上高地で咲いているヨツバヒヨドリの花には、いろんな蝶たちが集まってくる。いちばん多い蝶は、何といってもコチャバネセセリだろう。ちょうど発生期なのか、どの花にも、おびただしい数の蝶が群れている。そして、少し翅が退色しているが、まだまだ健在のヒメシジミ、そしてアサギマダラも1頭だけ、悠然と吸蜜していた。この蝶には、他の蝶にはない、場の雰囲気を変える独特な優美さがある。
コチャバネセセリに交じり、こげ茶色のカラスシジミらしき蝶を発見。カメラを構えると他の蝶は、一目散に飛び去ってしまったが、この蝶だけは、動じることなく吸蜜を続けている。それなら、魚露目でもと思い撮影してみた。マクロと同じアングルで撮り比べてみると分かるが、表現効果は全く違うようだ。環境を写しこむことの是非はあると思うが、ここは中部山岳国立公園の中だから、問題はなさそうだ。

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by kazenohane | 2014-07-25 17:08 | シジミチョウ

オオイチモンジ(2)  265

中央線が水害で不通になり、信州方面に出掛けにくくなっている。そこで、今から25年前に夜行バスで上高地に出掛けたことを思い出した。座って眠ることは、慣れていないと難しく、相当な我慢を強いられる。それでも、別天地のような爽やかな上高地に行くことの欲求には勝てず、インターネットで予約してしまった。昔と比べ、今の夜行バスは、リクラインシートになっていたり、乗り心地もずいぶん改良されていた。しかし、7時間もバスに乗るのは、かなり辛く、せいぜい3時間までかなと実感せざるを得ない。
今回の主な目的の蝶は、オオイチモンジで、昨年が少し不本意だったこともあり、どうしてもきっちり撮影したいと思った。翅の破損した個体も多く、発生した数も少なかった。今年は、どうなのか期待しながら、有名ポイントに向かう。6時間も粘ってみたが、現れたのは全部で4頭のみで、翅の状態も、破損した個体ばかりだった。それでも、蝶の過程と思えば、これはこれでいいのかも知れない。自分の老境を考えれば、こんな姿にも共感できるのではないだろうか。

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by kazenohane | 2014-07-24 16:01 | タテハチョウ

コヒョウモン(2)  264

空き地に植えられたコンフリーが、どんどん繁殖して自生状態になっている。この植物は、確か健康食品として注目された時期があったような気がする。葉っぱをてんぷらにして食べたこともある。この先の話は、インターネット知識の受け売りになってしまうが、この植物には、毒性のあるアルカロイドの成分が含まれ、食べると肝機能障害が起こるという。健康に良いと思われていた植物が有毒植物に様変わりしてしまったようだ。
ただ、この植物の花は、とても可憐で美しい。淡い紫色の花にオレンジ色のコヒョウモンが3頭訪れていた。このコラボレーションも、そんなに悪くはないが、密かに願っていた相手は、スジボソヤマキチョウだ。ただ、残念ながら発生には少し早かったようだ。それは、ともかく、この蝶と花の世界をたっぷり時間を使い、何度も何度もシャッターを押した。あれだけ黒い雲に覆われていた空に青い切れ間ができ、光が射し込んできた。高原の天気は、とても変わりやすい。

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by kazenohane | 2014-07-20 23:46 | タテハチョウ
高原の集落の人たちにとって、カメラを首にかけた「よそ者」は、決して歓迎できる部類の人ではないだろう。昨年の話になるが、泥棒に疑われ、顔写真まで撮られ「最近は、よそから来た空き巣狙いが多い」とまで言われてしまった。それでも、話をすれば分かってもらえると思い「翅の先が尖がった黄色の蝶は、いませんか、名古屋から、わざわざ写しに来たんです」と説明をすると、「ああ、その蝶だったら、このあたりにたくさんいる」と返事があり、その後、相手の人も、ここで育ったのではなく、渓流釣りが好きで、ここに住みついてしまったという。しばらく話をした後に「この奥の林道はクマが出るから、入らない方がいい」と忠告された。出会った集落の人とは、できるだけ挨拶を交わし、コミュニケーションを保つようにしている。
余談は、これくらいにして、ウラゴマダラシジミと出会ったのは、今年に入って3回目になる。高原育ちの蝶は、何となく小ぶりな印象だ。ここでは、他の場所で見たときのように快活に飛び回ることもなく、木の葉の上でおとなしく止まっていた。白色を基調としたシンプルな模様は、他のゼフィルスにない不思議な魅力がある。やっと思い描いていたぼんやりした行燈のようなイメージの写真が撮れた。逆光に透けた翅の美しさは、この蝶の一番のチャームポイントだろうと思う。

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by kazenohane | 2014-07-18 09:11 | シジミチョウ
今にも泣きだしそうな雲行きを見ながら、帰りのバス停に向かって急ぐ。まだ時間までには、30分以上もあり、林縁の草地にいる蝶を見落としていないか、探しながらの帰り道だ。舗装された道路上に、金緑色に輝く蝶を発見。この蝶が何という名前の蝶なのか、即座に判別できないところが、まだまだかなと思う。それよりも、何とか草の葉にでも移動して止まってくれないかと思いつつ、この状態で撮影したところで、逃げられてしまった。メスアカミドリシジミのオスということは、後で調べて分かったが、この話は本来なら、ここで終わるはずだが、信じられないような出来事がこの後起こった。
バス停まで辿り着き、バスが到着するまでに後2分足らずの時間に突然、風が吹きシジミチョウらしき蝶が高い樹の上からコンクリートの堤に降ってきた。あと、1分というところでリュックに収めたカメラを取り出し、大急ぎで裏翅を撮り、間に合ったかなと思っていたら、翅を開き始めた。翅の模様の特徴から、メスアカミドリシジミと、すぐに分かった。もう遠くの方からバスの姿も見え始めたが、とにかく開いたところを撮影したところでタイムアウトとなった。バスに乗り込み、道路に落ちていたり、上から降ってきたりするゼフィルスの不思議さを感じずにはいられない。

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by kazenohane | 2014-07-16 07:44 | シジミチョウ

ゴイシシジミ(2)  261

明るい草原に至る道沿いに樹木の覆い茂った暗い場所がある。ここでは、クロヒカゲやヤマキマダラヒカゲなどのジャノメチョウの仲間が多く生息している。このシーズンには、ゼフィルスも卍飛翔を繰り返している。この場所では、まだまだいろんな蝶がいるような気がする。
ササが下草として茂っているので、ゴイシシジミがいても不思議ではないが、過去には一度も見かけていない。遠くからでは、何の蝶なのか、よく分からなかったが、近づいて確認して見るとゴイシシジミだった。草の葉に半開翅の状態でしばらく止まっていた。ひょっとすると、翅を開くかも知れないと思い、しばらく様子を見ていたところ、こちらの思惑通りになり、シャッターを3回切ったところで飛び去ってしまった。初めて見る真っ黒な表翅は、白地に黒の碁石模様の裏翅とは対照的で、シックな落ち着いた趣きがある。

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by kazenohane | 2014-07-14 09:51 | シジミチョウ

ヒメシジミ(5)  260

7月、高原のヒメシジミたちが、いろんな花に群がり、目を楽しませてくれる。ソバの花の咲いている場所で、時間の許すかぎり、この蝶たちをゆっくり眺めながら、カメラに収める。高原の妖精たちの宴をどのように表現したらいいのか、いつも頭を悩ませる。晴れていた青空が、にわかに厚い雲に覆われ始めた。そして、雨を予感させる湿った生温かい風が吹き抜ける。まだ、初々しさの残る野山の木の葉が、ざわざわと風に揺れている。ヒメシジミに混ざり、ときどき、オレンジ色のコヒョウモンが、ソバの花を訪れる。
マクロレンズで一通り撮影したら、最近、導入した魚露目という不思議なレンズをつけたコンデジで、蝶を実際に撮影してみた。1cm近くまで、レンズを接近させると、さすがにほとんどの蝶は、飛び立ってしまう。それでも、吸蜜しているときは、近づけても逃げる気配はなく、シャッターを切ることができた。蝶を手前に入れ、場所を特定できない程度の風景を入れる写真は、マクロ写真とは違う新鮮さがある。

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▼蝶と遊びながら楽しく撮影できる魚露目の世界
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by kazenohane | 2014-07-11 08:19 | シジミチョウ
梅雨時の天気は、不安定で撮影に出かけるのに迷うことが多い。朝、撮影地の詳しい天気予報をインターネットで確認してから、急きょ支度をして家を飛び出す。いつもの通い慣れた特急に乗り、バスを利用して、9時30分頃には、現地に到着する。撮影場所は、25年も前から、20回以上も訪れている心地のよい蝶のパラダイスだ。いつも、たっぷり時間をかけて、同じコースをのんびり歩くスタイルにしている。
7月上旬の一番の目的の蝶は、このコヒョウモンモドキとヒメシジミだ。行くたびに、いろんなおまけもあり、思わぬ蝶が撮影できることもある。そんな蝶は、いずれ紹介することにしたい。少し小ぶりで、活発に飛ぶコヒョウモンを数多く見かけたが、なかなかコヒョウモンモドキは、姿を見せてくれない。そのうち、小さくて、弱々しく飛ぶコヒョウモンモドキを発見した。背丈ほどあるススキの草原に逃げ込んだのを見て、草をかき分けながら追跡して、やっとの思いで撮影した。今回は、表裏をきっちりと表現することに徹した。あれもこれもと欲張ると、必ず中途半端な写真になることが多く、撮影する前から、こんな写真という設計図は頭の中にあった。

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by kazenohane | 2014-07-09 18:11 | タテハチョウ

写真とエッセイで構成されたアルバムです


by kazenohane
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