<   2016年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

花蝶譜 Ⅱ

 もうこの季節には、ベニヒカゲはいないだろうと思っていたが、目の前に、翅の破損もほとんど見られない姿で現れた。しかも、カメラと平行になるように止まってくれたおかげで、背景が美しくぼけ、蝶全体にピントが合い、こんなふうにしてくれたらいいのにと思っていた理想のポーズだった。いつも、地面や岩の上に翅を開いている、お決まりのポーズのイメージがあったが、これだったら何度でも撮りたくなるだろう。
 いつもは、もう少し早い7月末に出掛けることが多く、ミヤマモジズリの開花には早く、蕾の状態だった。今回、天気の都合で8月下旬だったことが幸いして、この美しい花を撮影することができた。都会でもよく見かけるネジバナによく似ているが、花は少し大きいようだ。この植物も野生ランの一種で、昔からぜひ見てみたいと憧れていた花のひとつだ。ミヤマモジズリの周りには、白いウメバチソウの花が咲き乱れていたので、そんな雰囲気も画面に入れてみた。

a0277496_21010647.jpg

▲ミヤマモジズリ

a0277496_21021691.jpg


a0277496_21023694.jpg


a0277496_21013730.jpg

▲ベニヒカゲ
[PR]
by kazenohane | 2016-08-29 21:32 | ジャノメチョウ

花蝶譜 Ⅰ

 高原のサカハチチョウの夏型の出現は遅い。あたりの草花は、もう秋の気配が漂っているが、この蝶は発生のピークを迎え、林道のあちこちで見かけた。特に白いイタドリの花を盛んに訪れ、ついつい撮影したくなるシチュエーションを演出してくれた。サカハチチョウの裏翅の複雑な模様に魅せられ、たびたび撮影しているが飽きることがない魅力的な蝶だ。
 同行の植物に詳しい人から、球体の不思議な花の名前を教えられた。その場で聞いて控えればよかったのだが、家に帰ってから思い出そうとして図鑑を見ても、全く名前の見当もつかない。そこで、もう一度聞き直して、やっと「ケヤマウコギ」という名前が分かった。だんだん物忘れすることが多くなり、やはりメモする習慣がこれからは大事になるだろう。この花と咲き方がよく似ている「アリウム・ギガンチウム」の青紫色の花を連想させる。こんな美しい花が自然界の中で咲いていることに驚いた。

a0277496_22021713.jpg

▲ケヤマウコギの花

a0277496_22024735.jpg


a0277496_22030542.jpg


a0277496_22032317.jpg


a0277496_22035951.jpg

▲サカハチチョウ

a0277496_22041328.jpg

▲サカハチチョウとミドリヒョウモン
[PR]
by kazenohane | 2016-08-27 22:54 | タテハチョウ

高原彩花

 いつも出掛けている高原に初秋に咲く花の撮影に出掛けた。この季節の蝶も気になるところだが、高原の主役のヒョウモンたちを全く見かけなかった。モンキチョウだけは元気に花を訪れ、いちどだけスジボソヤマキチョウも見かけた程度だ。今日の目的は蝶ではなく、来年からスタートする「山野草の花」の木版画シリーズの取材も兼ねた撮影という大義名分があるため仕事の一環になる?のだろう。
 ピンク色のツリフネソウの花が高原一帯に咲いていた。いつもは何気なく見ているため、この花の魅力に気が付かなかったがファインダー越しにアップで捉えた個性的な花姿に、すっかり魅せられてしまった。袋状になった花の奥に小さな虫が盛んに吸蜜に訪れていた。こんな形の花に蝶は吸蜜に訪れるのだろうか、やはり蝶が吸蜜しやすい花の形はあるのだろう、そんな想像を巡らせながら、しばらくの時間この花と過ごした。この花の周辺には、同じ仲間のキツリフネも咲いていた。蝶ばかりで、花に注意を向けることもなかったせいか、ヤマトリカブト、オモダカの花を初めてこの高原で見つけた。視点を少し変えるだけで、蝶以外の世界が見え始めることがとても新鮮に思えた。


a0277496_10082608.jpg

▲ツリフネソウ

a0277496_10084514.jpg

▲ウドの実

a0277496_10090998.jpg

▲ツユクサ

a0277496_10094051.jpg

▲ヤマトリカブト

a0277496_10100413.jpg

▲オモダカ

a0277496_10105480.jpg

▲オオハンゴンソウ

a0277496_10122589.jpg

▲マツムシソウ


[PR]
by kazenohane | 2016-08-21 11:03 |

残  暑

 立秋を過ぎ、まだまだ残暑が厳しく、炎天下の蝶の撮影はきつい。それでも時折、吹き抜ける涼しい風に秋の気配を感じながら、ゴマシジミがワレモコウの花を訪れるのを待つ。性格なのか、じっと長く待つことができなく、ついつい蝶を追いかけまわすことになる。ものの10分くらいで、ギブアップして木陰に緊急避難してミネラルウオーターをがぶ飲み。全身から汗が噴き出してくるのを我慢しながら、再び、撮影に挑むが、相変わらずゴマシジミは飛び回っている。それでも、昼近くなってくると、ワレモコウの花に止まり産卵する姿も見せ始め、開翅するシーンも何度か見られた。
 暑さで撮影するモチベーションも下がり、木陰のある場所でランチタイムにした。「クマ出没注意」の看板を見て、ツキノワグマが木から落ちてきたという話を思い出した。不気味な気分に追い打ちをかけるように、当農園の係の人から「クマが現れるから食べ残しはしないでください」と注意をされてしまった。早々にこの場を離れ、撮影を再開したが、バテてしまい思うように体が動かない。
 場所を変え、イタドリの花の咲く林縁でゼフィルスらしい蝶を同行者が発見。後から調べてミドリシジミであることが分かったが、今年は地元で撮影していなかった蝶だったので、ことのほか嬉しかった。ほかにも翅の破損したオオミドリシジミなども見られ、ここは有望な撮影場所になるのかも知れない。


a0277496_10072609.jpg

▲イタドリの花

a0277496_10080760.jpg


a0277496_10093750.jpg


a0277496_10095251.jpg


a0277496_10104595.jpg

▲ゴマシジミ

a0277496_10110067.jpg


a0277496_10111252.jpg

▲ミドリシジミ
[PR]
by kazenohane | 2016-08-16 11:11 | シジミチョウ

立秋の頃

 まだまだ暑さの続く8月上旬、名花中の名花と言われているレンゲショウマの花を訪ねて岐阜県の自生地まで20年来の山野草の友人と出掛けた。今から15年ほど前に、この花を初めてみたとき、あまりの美しさに、しばし撮影するのも忘れて見惚れたことを思い出した。果たして、今年も無事に見られるのか、この花だけは、現地に行かないと分からない。
 自生地に至る林道は、伐採作業中で通行止めになっていたが、作業者の計らいで通行できるように作業車を避けてくれた。林道からさらに奥の藪道の手前には、鹿の罠が仕掛けられているから入るなという看板があり、さすがに、この状況ではあきらめざるを得ない。幸い、舗装された林道沿いの崖でレンゲショウマの開花した株を見つけ、木につかまりながら少し登ると何とか撮影できる距離まで近づくことができた。少し湿った土は滑りやすく、何度もバランスを崩しながら、やっとの思いで撮れた。それにしても、15年前と比較すると、激減していて、このままでは消えてしまうだろう。伐採した場所は日当たりが良くなり、生育環境は急変する。ひょっとすると、花を見られるのは今回が最後かも知れない。


a0277496_14010932.jpg


a0277496_14021577.jpg

▲レンゲショウマ

a0277496_14023465.jpg

▲ヒオウギ

a0277496_14025039.jpg

▲珍しいクズの白花


[PR]
by kazenohane | 2016-08-12 14:06 |

光を浴びて

 高原にいることをより感じさせる蝶は、このスジボソヤマキチョウではないかと思う。もう、25年も前の話になるが、お盆休みの頃、一年に一回だけ合宿と称して、この高原で2日間、蝶の撮影を楽しんだ。もう見られなくなったが、確かにゴマシジミもここに生息していた。ただ、この貴重な蝶よりも、私にとってスジボソヤマキチョウがいちばんの宝物だった。極端の言い方をすれば、この蝶ばかりを撮影していたと思う。今のように、探さなければいない蝶ではなく、民家の庭の花に群れているくらい、たくさんいた。いろんな花を訪れ、こんな場面にどんな背景を入れたらよいのか、光の方向はどうなのかなど、じっくり撮影するには、ぴったりの蝶だった。流れる川を背景に逆光で撮ると美しい玉ボケが入り、今でも、この時の写真を凌ぐ作品は生まれていない。
 どんな蝶を撮影する場合も、逆光が好きで、ついつい光を正面に受ける形になってしまう。スジボソヤマキチョウのオスは、逆光で撮影すると表翅の黄色が光に透けて美しい。ただ、この蝶の翅のディテールを表現するには、順光の方が向いているだろう。いつかは、複数のこの蝶が空中で絡む躍動感のある写真を撮ってみたいと願っている。


a0277496_09213798.jpg

▲コオニユリ

a0277496_09220872.jpg


a0277496_09224531.jpg


a0277496_09225893.jpg


a0277496_09230981.jpg


a0277496_09232871.jpg


a0277496_09245560.jpg



[PR]
by kazenohane | 2016-08-06 10:24 | シロチョウ

雨のち晴れ

 天空の植物園にいつ蝶が舞い降りるのか、降りしきる雨の高原。遠くの山波の霧が晴れ始め、何となくどんより曇っていた空が明るくなってきた。このまま進んで行くのか、この場で待つのか、ここが思案の分かれ道だろう。厚い雲の間から日が射し始めるのを合図にしていたのかのように蝶たちが飛び始めた。
 まず、ヨツバヒヨドリの花に数頭のサカハチチョウが吸蜜に訪れ、アサギマダラが勢いよく上空をめざして舞い上がっている。いつもは、地面や石の上に翅を開いて止まっているベニヒカゲも、雨の後の影響なのか、ヨツバヒヨドリの花を盛んに訪れていた。翅のオレンジ色の模様がとても素敵なアクセントになっているが、もしこの模様がないと、かなり地味な印象を与える蝶になっていたことだろう。思い込みかもしれないが、このオレンジ色が高原の自然に映え、より魅力的に見えるような気がしてならない。木の葉に止まっていたルリタテハが翅を開いたり閉じたりしていた。どうぞ撮ってくださいと言わんばかりのサービスに応え、たくさんのシャッターを押した。黒地に瑠璃色の模様が、何とも美しく気品さえ感じた。
 今回、目論んでいたミヤマシロチョウの撮影は叶わなかったが、これだけの蝶と出会うことができ、よかったなと思う。

a0277496_10365779.jpg

▲オオカメノキの実

a0277496_10355117.jpg


a0277496_10361493.jpg


a0277496_10362679.jpg

▲ベニヒカゲ

a0277496_10374781.jpg


a0277496_10380757.jpg

▲サカハチチョウ

a0277496_10372427.jpg

▲ミドリヒョウモン

a0277496_10390888.jpg

▲アサギマダラ

a0277496_10384939.jpg

▲ルリタテハ


[PR]
by kazenohane | 2016-08-03 11:52 |

写真とエッセイで構成されたアルバムです


by kazenohane
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31