定光寺の紅葉

 愛岐トンネル群の撮影を終え、久しぶりに近くの定光寺まで足を延ばした。近いから、すぐに着けると思っていたが、定光寺駅から橋を渡り長い坂道を登ることが、こんなに大変とは予想外だった。さて、この一帯の自然林は、何度も蝶や花の撮影で訪れているが、定光寺は、ひょっとすると中学校の遠足以来かもしれない。そうなると、何と50数年ぶりの再訪となる。そのためか、この寺の記憶が全くなく、行き方まで忘れている。そんなせいで、近道の参道ではなく、迂回している車道を歩いたせいで、ずいぶんと遠回りしてしまった。こんな道は、来たことがないので、不安になり通りすがりの女性に思わず、この道でいいのか聞いてみた。遠くに寺の屋根が見えたので、なんとか辿りつけそうだ。
 立派な本堂が突然現れ、やはり定光寺は徳川家ゆかりの寺だけに名刹だった。光の具合がよくなかったので建物を撮らなかったが、モミジの紅葉はピークで、そんな意味では大正解だったようだ。紅葉や桜は、あまりにもポピュラーな写真の被写体ということもあり、今まで敬遠してきたが、今年は特に紅葉の写真を撮る機会が多かった。暖かい小春日和に石仏たちも美しい紅葉を堪能しているようだ。

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# by kazenohane | 2016-12-09 12:48 | 風景

愛岐トンネル群を訪ねて

 今から50年前の話になるが、高校を卒業して初めて名古屋の出版社に就職した。今なら快速で30分あまりで名古屋に着くことができるが、当時は蒸気機関車で1時間30分もかかり、通勤も大変だった。多治見から高蔵寺までの間に14のトンネルがあり、冷房のない夏場は、窓を手で開けなればならなかった。ただ、トンネルに入ると蒸気機関車の煙が車内に入り込むため、窓をいちいち閉める必要があった。そんな作業もたいして苦痛ではなく、当たり前のように繰り返していたようだ。人生のうちで一番楽しく、悩み多い青春時代だった。
 そんな思い出のあるトンネルを一般の人に解放しているという情報を聞き、さっそく友人と出掛けてみた。中央西線の複線電化に伴い、明治時代に造られた、これらのトンネルは使われなくなってしまったという。2008年から、保存再生プロジェクトで貴重な近代化遺産として「愛岐トンネル群」の一部を春と秋に一般公開されるようになったようだ。
 中央西線の定光寺駅を降りると、同じような格好をした年配の人たちであふれていた。このトンネル群を歩く目的で、こんなに多くの人が集まるのか驚いた。いつも人混みを避けて野山に出掛けることが多いので、少し後悔したが、50年ぶりに、このトンネルを通ると懐かしい思い出が甦ってきた。この廃線路には、美しく紅葉したモミジが多く見られ、50年前にも車窓から、こんな美しい風景が見られたに違いない。


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# by kazenohane | 2016-12-02 20:24 | 風景

紅葉の根の上高原

 根の上高原を訪れるのは何度目だろうか、この高原にある「あかまんまロッジ」は、私の常宿のような宿泊施設だ。もう、20年も前から、事あるたびに、版画教室の生徒さんを連れて、ここで合宿したり、コンサートを開催している。今回も紅葉を愛でるという趣旨で、生徒さんたちと一泊で、このロッジを訪れた。ここの料理は気取りがなく、素材の味を生かした美味しさに定評がある。
 出掛けた11月10日は、真冬のように寒く、雪と紅葉の風景が撮れるかもしれないと期待したが、そう思うようには行かない。スケール感のある全体風景ではなく、どちらかというとマクロ的な表現で紅葉や黄葉や木の実などを自分なりに撮影してみた。今回のメインのイロハモミジだけは、樹全体をやや離れた位置から撮り、枝ぶりの美しさも強調。樹の名前を図鑑で調べたが、かなり怪しいものもあると思う。間違っていたら、ご指摘いただけると有難い。


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▲常宿のあかまんまロッジ

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▲今が盛りのイロハモミジの紅葉

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▲いろんな色の変化が楽しめるマルバノキ

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▲渓流沿いに多い紅葉のシラキ

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▲葉が三裂している黄葉のダンコウバイ

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▲のこぎりの歯のようなギザギザのミズナラの葉

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▲他人事ではない濡れ落ち葉も味わい深い

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▲夏に白い花を咲かせるノリウツギも秋は枯れ色

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▲宝石のような紫色のムラサキシキブの丸い実

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▲美味しそうな赤い実のミヤマガマズミ

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▲いろんな色の葉が交錯する落葉樹林


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# by kazenohane | 2016-11-12 17:05 | 風景

晩秋の彩り

 久しぶりに東三河の山に、晩秋の草花を訪ねた。前々から一度見てみたいと思っていたムラサキセンブリの花が咲いたと山野草に詳しい友人から連絡を受け、お天気の良さそうな日を選び、いつものメンバーと合流して出掛けた。もう、蝶はほとんど見られないだろうと思っていたが、まだまだイチモンジセセリやツマグロヒョウモンなどが晩秋の草花の花で盛んに吸蜜していた。今回は、植物の方が主目的のため、蝶は眺めるだけに止めた。
 山の斜面の至るところに、ムラサキセンブリの薄紫色の花が咲き、その合間を埋めるようにヤマラッキョウのピンク色の花も負けず劣らず咲いていた。さながら、お花畑のようでその美しい景観に思わず見惚れてしまった。今回は、シリーズで制作している山野草の花の木版画の取材も兼ねているので、そんな視点で撮影することにした。花をアップで見ると、その形も色彩も魅力的で、ついつい引き込まれてしまう。
 もうひとつの晩秋の楽しみは、赤い木の実だ。子供の頃から見慣れているサルトリイバラの赤い実を探しているとき、もう60年も昔の故郷の山をふと思い出し走馬灯のように懐かしい風景が頭の中をよぎる。ここは、地質も植生も故郷の山とよく似ているから、そう思うのかも知れない。今年初夏の頃、ヒメヒカゲの撮影でこの地を訪れて、もう半年になる。月日の流れは本当に早い。


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▲ムラサキセンブリ

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▲ヤマラッキョウ

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▲リンドウ

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▲サルトリイバラ

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▲コバノガマズミ



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# by kazenohane | 2016-11-05 10:28 |

飛んで、飛んで、飛んで

 山間地から渡ってきたアサギマダラの中継地として知られている山に撮影に出掛けた。ここは、マーキング調査をしてる人も多く、聞いてみると遠く福島県のグランデコから飛来する個体も見つかるという。この先、無事に南国の島まで渡ってくれるといいなと思う。
 そんなアサギマダラの飛ぶイメージを写真で表現したくて、アザミの花を訪れ、そこから飛びあがる瞬間を出来るだけ早いシャッター速度で写してみた。花に吸蜜している蝶にピントを合わせ、飛び上がると同時にシャッターを押し、後は運まかせの撮影だ。蝶が写っていなかったり、写っていても画面から切れていたり、ピントが外れていたり、数打ちゃ当たる撮影法で何度も試みる。蚊よけスプレーで、しばらくは効果があったが、そのうち顔や足などを集中的に狙われボコボコにされてしまった。それでも、飛んでくれるまでカメラを構えて、その時を待つ。秋の撮影は、いつも蚊との戦いでもある。
 そう言えば、「飛んで 飛んで 飛んで・・・・♪」昔そんな歌があったような?


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▲サザンカの花にも訪れていた

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▲アサギマダラのヘアペンシル

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# by kazenohane | 2016-10-15 21:23 | マダラチョウ

写真とエッセイで構成されたアルバムです


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