シロチョウの仲間は、陽光の降りそそぐ、開けた草原のような環境に多いが、このクロテンシロチョウは、樹木の被い茂るような暗い場所(写真参照)に多いようだ。翅の形といい、弱々しい飛び方といい、どこかヒメシロチョウの雰囲気を感じさせる。ただ、この蝶は、信州の明るい高原に見られ、まるで棲んでいる環境が違う。
雨模様の天気だったが、林道脇に咲くセンダングサの白い花に、この蝶が吸蜜に来ていた。昨年、撮影に失敗しているだけに、今回は、反省を生かしたい。晴れているときは、樹林の中に隠れてしまうが、天気が幸いしたのか、やや明るい場所で撮影できた。それでも、背景が暗く、どうしても露出オーバーになり、翅の微妙な模様が白く飛んでしまうため、露出補正は必要になる。この弱々しい蝶のどこに、よその地で根を下ろして定着する力があるのだろうか。(2013年11月12日・石垣島)
▲クロテンシロチョウの生息する石垣島の密林