7度も八重山に通うと、飛行機から降り立ったとき、懐かしい故郷に帰ってきたような不思議な感じがする。亜熱帯の蒸し暑い空気感も、むしろ心地よい。ガイドの入野さんの言っていた「八重山病」の自覚症状だろうか。
これだけ通っていると、蝶の異変にも何となく分かるようになる。あれだけ、乱舞していた八重山を代表するスジグロカバマダラをほとんど目にしない。何か、物足りなさを今回、感じたのは、このためか。
何度、出かけても飽きさせないY林道には、私の大好きなマサキウラナミジャノメが必ず出迎えてくれる。この林道でも、いつも多く見かけるスジグロカバマダラは、たった2頭だけだった。その分、リュウキュウアサギマダラが多く、巨大なシダの葉に止まっている姿を見たとき、ああ、ここは亜熱帯樹林のど真ん中なんだなと改めて思う。(2014年4月9日・石垣島)
▲亜熱帯の樹林に生息する美しいナナホシキンカメムシ