ヒヨドリバナの咲く草原にアサギマダラが群れている、そんな夢のような風景に憧れていた。初めて、この蝶と出会った白山登山口の草原にも、この花が一面に咲いていた記憶がある。今から、もう35年前の、ちょうど今頃だった。アサギマダラという名であることも知らず、無我夢中に、この蝶を撮影したことを、ふと思い出した。今でも、この蝶を見て高ぶりを感じるのは、あの夢のような最初の出会いと無縁ではないだろう。
広々した草原の中のアサギマダラを表現してみたくて、魚露目でこの蝶に接近するものの、すぐに逃げてしまい思うように撮影できない。それでもあきらめずに追いかけて、何とか撮影することができた。マクロとは違う新鮮な視点の写真が撮れたらと思うが、それがなかなか難しい。